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胃がんリスク検査(ABC検診)について
ABC検診とは
胃・十二指腸潰瘍の主な原因と考えられているヘリコバクター・ピロリ菌の抗体価検査と胃粘膜萎縮(老化)マーカーのペプシノゲン検査とを組み合わせて、胃がんリスクをABCの3群に分類します。
このABC分類を用いて、胃の状態に応じた検診間隔を設定し、効率的に検診を行う方法がABC検診(胃がんリスク検診)です。
※ABC検診(胃がんリスク検診)は『胃がん検診』に代わるものではありません。
ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査やペプシノゲン検査は胃粘膜の状態を簡便に評価するのに有用ですが、胃がんを見つける診断方法ではありません。
現在、胃がん検診として推奨されている検査方法は上部消化管内視鏡(胃カメラ)と上部消化管X腺(バリウム)の2つだけです。
ペプシノゲン、ヘリコバクター・ピロリ抗体あるいは併用法による胃がん死亡率減少効果については、その有無を判断する証拠が不十分であるとされました。「胃がんリスク検査」はあくまでも胃粘膜の萎縮の有無、ピロリ菌感染の有無=胃がんのリスクが高いかどうかを調べる検査であり、胃がんそのものを見つける検査ではないのです。
現在、胃がん検診として推奨されている検査方法は上部消化管内視鏡(胃カメラ)と上部消化管X腺(バリウム)の2つだけです。
ペプシノゲン、ヘリコバクター・ピロリ抗体あるいは併用法による胃がん死亡率減少効果については、その有無を判断する証拠が不十分であるとされました。「胃がんリスク検査」はあくまでも胃粘膜の萎縮の有無、ピロリ菌感染の有無=胃がんのリスクが高いかどうかを調べる検査であり、胃がんそのものを見つける検査ではないのです。
- Point ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査とは
- 胃がヘリコバクター・ピロリ菌に感染していないかを調べる検査です。
ヘリコバクター・ピロリ菌は胃酸の分泌や胃粘膜の免疫能の働きが不十分な幼少期(4~5歳)頃までに感染すると考えられています。子供の頃に感染しなかった場合、大人になってから感染 することは稀だといわれています。
- Point ペプシノゲン検査とは
- 食べ物の消化に関与する『ペプシノゲン』という物質の血中濃度を測定することで胃粘膜の 萎縮(老化)の状態を客観的に調べる検査です。
胃がんリスク分類(ABC分類)
ABC分類 | ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査 | ||
陰性(-) | 陽性(+) | ||
ペプシノゲン検査 | 陰性(-) | A群 | B群 |
陽性(+) | D群 | C群 |
A群 | 健康的な胃粘膜です。 胃がん発症リスクは極めて低いです。 念のため、5年に1回は内視鏡検査を受けましょう。 |
B群 | 少し弱った胃粘膜です。 少数ながら胃がん発症リスクがあります。一度、内視鏡検査を受けましょう。また、異常が見つからなくても2~3年に1回は内視鏡検査を受けましょう。 ◆胃潰瘍・十二指腸潰瘍などに注意が必要です。 ◆ピロリ菌除菌治療をお勧めします。 |
C群 | 弱った胃粘膜です。 胃がん発症リスクが高いタイプです。一度、内視鏡検査を受けましょう。 また、異常が見つからなくても、1年に1回は内視鏡検査を受けましょう。 ◆ピロリ菌除菌治療をお勧めします。 |
D群 | かなり弱った胃粘膜です。 胃がん発症リスクが極めて高いタイプです。必ず、内視鏡検査を受けましょう。また、異常が見つからなくても、1年に1回、内視鏡検査を受けましょう。 ◆血液検査でピロリ抗体価が陰性でも、他の検査で陽性の場合はピロリ菌除菌治療をお勧めします。 |
E群 | ABC分類対象外。 ヘリコバクター・ピロリ菌除菌後の方は、E群 (除菌群)として定期的な内視鏡検査を受けましょう。 |
※胃がんリスク検査において以下に該当される場合は、正しい判定ができない可能性がありますのでご注意ください。
- 食道、胃、十二指腸疾患で治療中の場合
- 胃薬や抗生剤を1ヶ月以内に服用していた方
- 胃切除をされた方
- 腎不全の方(目安として、クレアチニン3mg/dl以上)
- ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療を受けた方
◆ABC分類フローチャート